7月17日の朝日新聞朝刊でブラックバイトユニオンが現在交渉中の居酒屋の問題が報じられました!

記事で紹介されているのは、京都市の先斗町で「金の箸」、「しゃり」、「天の川」、「天心」、「えびす」といった複数の居酒屋を運営する会社「フェリーチェ・カンパニー」「さくさく」(HP: http://www.kyo-sakusaku.com/ 本社:京都市中京区、代表取締役:金子由美氏)の問題です。
今年の1月、この居酒屋でアルバイトとして働く京都大学の男子学生(19)が、試験勉強のため3週間バイトを休みたいと申し出たところ、会社から制服をクリーニングして返してくれと一方的に言われ、事実上の解雇になってしまうという問題が発生しました。
この会社では普段から、36協定を結ばずに残業させる、残業代が払われない、就業規則を作っていない、チャージ料の取り忘れが給料から天引きされるなどの違法状態が常態化していました。また、人手不足で店が回らないため1日に3店も系列の店の手伝いに行かされるといった問題もありました。
この学生は制服をクリーニングして返してくれと言われた後、未払いの残業代を自分で計算して会社に請求しましたが、会社側代理人の望月康平弁護士(梅田総合法律事務所)から「未成年なので法定代理人を立てなければならない」「まずは一度当職が主張を直接伺いたい」等が記された通知書が送られてきました。この弁護士からの通知書を読んだ彼は、請求しないようにというプレッシャーをかけられているように感じ、ブラックバイトユニオンに相談しました。彼は現在も、会社と復職や未払い残業代の請求、その他職場環境の改善を求めて交渉を行っています。
また、この会社との交渉には、同じ会社の系列店で調理担当として働いていた元正社員の男性も参加しています。この男性は夜の24時過ぎまで働き、終電を逃すこともしばしばでした。 結果、月100~200時間という過労死ラインを超える残業をさせられていたにもかかわらず、残業代が月2万円弱しか払われていませんでした。
この会社では正社員のタイムカードは数年前に廃止されてしまい、会社側が労働時間についての記録を全く取っていませんでした。この男性は毎日業務日報を作 成していたため、日報に記載された時間を証拠として未払いの残業代を支払うように会社に求めましたが、会社は業務日報に記載された時間が誤りだと主張し、長時間の残業があった事実を認めていません。
私たちは、これまでに会社と3回におよぶ交渉を重ねてきました。しかし会社側は、学生の職場復帰や正社員の未払い残業代の全額支払いなどの主要な問題について、応じられないとの姿勢を変えていません。
私たちは引き続き、会社に対し誠実な対応を求め、改善のための行動や取り組みを行っていきます。今後もブラックバイトユニオンと「フェリーチェ・カンパニー」「さくさく」との交渉の経過にご注目いただければ幸いです。
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